問題解決事例

基板書き込み作業の人的負担が問題

ロムライター開発で97.5%工数減!

お客様のお悩み

お悩み

水銀測定装置メーカー・
日本インスツルメンツ株式会社様

製品の海外需要が高まり増産体制に入ったが、
基板へのデータ書き込み工数(1枚約20分)がネックになっている。

水、食品、固形物、気体、土など測定対象物に応じて装置の種類は異なりますが、制御基板は共通。その基板にソフトウェアを書き込む作業が煩雑で、基板1枚につき約20分の時間を要しておられました。

基板への書き込み工数削減は長年の課題でもありましたが、近年の環境意識の高まりとともに水銀測定装置の海外需要も高まり、増産体制に入ろうとする中、待ったなしの状況に。
そこで、作業を効率化する書き込み専用機「ロムライター」の社内製作を検討されましたが、リソースの問題等で実現は難しいと判断され、コスモテックにお声がけいただいた次第です。

【以前のご状況】

3種類のソフトウェア書き込みを手作業で約20分かけて行っていた

以前は【FPGA書き込み】→【ブートファイル書き込み】→【ファームウェア書き込み】を手作業で行なっておられました。それぞれを書き込む都度PCでソフトウェアを立ち上げる必要があり、また基板のDIPスイッチを手動で切り替える必要もありました。
製品の進化に伴い小型化した基板はパーツも小さいためピンセットや製図用シャープペンを使って作業されており、基板1枚の書き込み作業にトータル20分ほどかかっていました。

特定の社員様が書き込み作業にかかりきりに

作業手順をレクチャーするのも容易でなく、特定の社員様が基板書き込み作業にかかりきりにならざるを得ない状況でした。NIC様では多能工(マルチスキル)を推進されていることもあり、それとは逆の状況になっていることも問題視されておられました。

【NIC様からのご要望】

基板書き込みを「誰でもできる作業」へ

作業手順がシンプルで、集中力が求められる細かい作業も機械任せにでき、マニュアルを見れば新入社員でもすぐに覚えられるようにしたい。そのようなご要望により、書き込み時間の短縮と並んで、「誰でもできる作業」にすることが重要課題となりました。

作業スペースを広げずに済む「卓上サイズ」で

オフィスのレイアウトを変えることなく、従来書き込み作業を行っていたデスクで引き続き作業ができるよう、デスクにノートPCとロムライターを並べて置けるサイズをご要望でした。

予算内で必要な機能を満たしてほしい

ロムライターをオーダーメイドで製作すると一般的には1,000万円ほどのコストがかかるであろうとNIC様では想定されていました。減価償却などを考慮するとその価格では難しい…。そこで、必要な機能を精査して現実的な予算をご提示いただき、弊社内で検討の上、開発スタートとなりました。

【ご担当者様と二人三脚で開発開始】

開発にあたり基本的な仕様をすり合わせ、NIC様の現物の基板とプログラムデータを支給いただきプロジェクトが始まりました。開発段階では、弊社の技術担当者が必要に応じてNIC様へ連絡を取り、技術面での確認をしながら進めさせていただきました。

日本インスツルメンツ株式会社 生産開発本部 品質管理課リーダー 矢野様(左)と、コスモテック株式会社 代表取締役 辻(右)

コスモテックが解決!

解決

「基板セット」→「PCで実行」のみの簡単操作で
4枚同時に自動書き込み可能なロムライターを開発。
書き込み時間も1枚あたり30秒に短縮!

基板1枚につき従来20分かかっていた作業時間が30秒に

弊社が開発したのは、ロムライター本体および専用PCソフトです。
ロムライターには4枚の基板をセットすることができ、4枚同時にFPGA、ブートファイル、ファームウェアを自動で書き込むことができます。書き込み完了までわずか2分、1枚あたり30秒と大幅な時間短縮(従来の1/40)を実現しました。
さらに基板のDIPスイッチを切り替える必要がなくなり、人的ミスが発生するリスクもほぼなくなりました。

専用ソフトをインストールしたノートPCとロムライター。従来の作業デスクに収まるサイズで設計。
基板を4枚セットした状態。4枚同時書き込みが2分で完了。

簡単な操作で書き込み開始。基板書き込みが誰でもできる単純作業に

書き込みの操作は非常にシンプルです。

  1. ① ロムライターに基板を4枚セット
  2. ② ロムライターのカバーとレバーを下ろす(基板が固定され、接点が接続される)
  3. ③ PCソフトの「書き込み開始」ボタンをクリック

以上の簡単な操作で2分後に書き込み完了となります。

基板自体のパーツを触る必要がないため、基板の構造などを知らない人でも問題なく書き込み作業ができます。
特定の人に頼っていた複雑な作業が、誰にでもできる単純作業になったことで、手の空いた人が担えるようになりました。また書き込み中は何も操作する必要がないため、並行して他の作業を進めることも可能です。

書き込み中の状態もPC画面に表示されます

【技術的なポイント】

市販の書き込み機を応用することで、予算内で自動書き込み機能を実現

自動書き込みを実現する手段は一つではありません。コストを無視すれば色々な手段が考えられますが、当然ながらお客様の予算に合わせて手段を選ぶ必要があります。

そこで弊社が選択したのは、市販の書き込み機を応用するという手段です。FPGAの書き込み機、マイコンの書き込み機(ブートファイルおよびファームウェア書き込み用)の2種類を用意。それらを弊社の技術でアレンジしてうまく制御し、自動化することに成功しました。

弊社の技術者が最も苦労したのは、条件に合う市販の書き込み機を探し当てることでした。探し当てた後も書き込み機のメーカーの方と技術的な確認やすり合わせを行い、試行錯誤を重ねながら開発を進めました。

市販の書き込み機をアレンジしたFPGAの書き込み機4台、
ブートファイルおよびファームウェアの書き込み機4台を搭載

お客様のご要望をすべてクリアし、⼤変喜んでいただけました!

時短、単純作業化、省スペース、コスト。お客様のご要望をクリアでき、お客様からも大変喜んでいただけました。

「ほとんど丸投げで作ってもらえた」「引き取りの時は嬉しかった」とご担当者様からありがたいお言葉をいただき、実際に現場でお使いいただいた所感を伺うと「もうコスモテックさんの装置導入以前には戻れない」と評価くださいました。

また、水銀測定装置の売上も予想以上に好調で、今後の増産にも十分に対応でき「ビジネスチャンスを逃すことがなさそうだ」と喜んでおられました。
当初は4年で減価償却できる見通しとのことでしたが、水銀測定装置の需要とともに保守部品としての基板の需要も増えるため、コスト回収はもっと早まる可能性があるとのことです。
お役に立てて大変光栄に存じます。

開発・納⼊品

ロムライター(専用PCソフトを含む)

問題解決事例の一覧に戻る